成年後見制度③「任意後見」とは

「任意後見」とは何か?、法定後見との違い、制度の利用にあたって気を付ける事、などについて、群馬県伊勢崎市の女性行政書士事務所 まつもと行政書士事務所が解説します。

こんにちは!
群馬県伊勢崎市の行政書士 松本直子です。

少し間が空きましたが、成年後見制度のお話の続きです。
🌷 前回の記事はこちら→成年後見制度②「法定後見」とは 🌷

はじめに、前回お話しした「法定後見制度」についての復習です🎵
法定後見制度とは、
✅すでに判断能力が低下している方を対象にした制度
✅家庭裁判所が後見人を決める
✅法律で決められている
というものでした。

これに対して、「任意後見制度」というのは、
✅判断能力が低下する前に、準備しておく制度
✅ご本人が、将来後見をお願いしたい人(任意後見人といいます)を選べる
✅ご本人と後見人との「契約」によって決める
というところが大きく違います。

ご本人の判断能力があるうちに、あらかじめ任意後見人を選んで契約を結んでおき、
依頼人の判断能力が低下してきた時点から、後見業務が始まる、というものです。

任意後見人には、親族や専門家はもちろん、ご友人や知人でも就任することができますが
将来、長期にわたって財産や生活を守ってもらうことになるため
責任をもってつとめることのできる方にお願いしましょう✨

実際には、判断能力が低下したと認定されたら、
まず、家庭裁判所に申立をして
「任意後見監督人」という人を選んでもらいます。
そこで初めて、任意後見がはじまります。
(なので、任意後見でも、全く裁判所と関係がないわけではありません。)

「任意後見監督人」というのは、通常、第三者の専門家が選ばれ、
任意後見人が契約通りにきちんと仕事をしているかをチェックします。
任意後見人が、依頼者の財産をこっそり横領したり、
仕事をさぼっていたりすると、依頼者ご本人の不利益になってしまうので😅

さて、
法定後見では、後見人が、財産などの全てを管理することになりますが
任意後見では、判断能力が低下したときにどのようなことをしてもらいたいか、
契約で自由に定めることができます。
なので、これだけやってほしい、という限定的なお願いもできますし、
財産を「守る」ことが前提の法定後見ではハードルの高い行為
(持っているマンションの大規模なリフォームとか、自宅の売却とか)
も行ってもらうことができます。
(※法定後見で全く「できない」わけではありません)

また、現在のまだ判断能力がある間は、
財産管理などのサポートや、生活の見守りを依頼する「見守り契約」としておき、
いざ判断能力が低下してきたら、任意後見に移行する「移行型」の契約を結んで、
将来任意後見人となる方に、今からサポートしてもらうということもできます。

任意後見人へ報酬を支払うかどうかも、契約の中で決めます。
親族であれば無償で後見人になるケースも多いようですが、
第三者にお願いする場合は、報酬を支払うのが一般的のようです。

このように、任意後見は、柔軟に契約内容を決めることができ、
その点は法定後見よりも自由度が高いです。

ただし、任意後見でできるのは「代理」だけで、
本人がだまされて結んでしまった契約をキャンセルするというような
「取消」などは、法定後見でないとできません。

また、しつこいようですが、
ご自分の意志で契約をできる状態の方でないと、任意後見契約はできません。
将来、ご自分の財産や生活に不安がある方、気になっている方は、
お元気な今のうちから、対策を考えておくことをおすすめします。

当事務所でも、任意後見のご質問、ご相談を受け付けていますので
分からないことがあれば、お気軽にお問い合わせ下さい😊

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